歌ってみたに必要な録音機材を揃えて宅録をはじめても、思ったように録れないとお悩みの方は多いのではないでしょうか。ミックス師にミックスを依頼するなら、できるだけハイクオリティな音源を録音したいですよね。今回は歌い手初心者の方におすすめの録音の仕方・コツをご紹介します。
宅録レベルをワンランク上げる録音の仕方
現在の宅録レベルに満足てきていない方は多いのではないでしょうか。寧ろ満足している方の方が少ないでしょう。レコーディングは、小さな心がけの積み重ねが、大きくなって作品になります。
ここでは初心者向けに、宅録のクオリティを上げる方法を紹介するので是非参考にしてください。
録音に最適な場所で歌う
まず、レコーディングにおいて重要なのが、歌う場所です。極論、防音が完璧なスタジオでの録音がベストですが、ここでは宅録に限定して解説します。
録音に最適な場所の定義は楽曲などによっても異なりますが、基本的には以下の2点に注意してください。
- 静かな場所
- 反響しない場所
静かな場所は、家族の話し声や家電の稼働音が入らないことや、外の車の音などが入らない場所です。反響しない場所は、手を叩いた時に音が広がらない場所がよいでしょう。音が広がる浴室などは基本NGです。
歌う場所で大きく変わらないと思う方もいるかもしれませが、結果的に作品の仕上がりに大きく影響します。
吸音材の導入もおすすめ
反響音の大きさが気になる方は、自分の前(マイクの奥側)にカーテンのような大きくて分厚い布を吊り下げるのがおすすめです。自分の声が向かう先に布が当たるように、マイクの後ろ側に設置してみてください。また、吸音材の導入もおすすめです。
メトロノームを導入する
楽曲と一緒に、DAW内のメトロノームを鳴らすのがおすすめです。大体の楽曲はネットで「〇〇(楽曲名) テンポ」や「〇〇(楽曲名) BPM」と検索するとヒットすることが多いので、BPMの数値を入力してください。
DAW内のメトロノームの使い方は下記の記事で紹介しています。是非参考にしてください。
効果的にトラックを分ける
歌を最初から最後まで一発録りする場合、ブレスの関係で不自然になる場合があります。楽曲によって一発録りが良い場合もありますが、歌ってみたの場合、基本的に主旋律だけでも2トラックに分けて歌うのがおすすめです。
ここではトラックの分け方について解説します。
ブレスなどに合わせてフレーズの切り場所を決める
まず、ブレスの位置などを考慮してフレーズの切りどころを決めます。全てのブレス位置でトラックを分けるのは、ブツ切り感が強くなるのでおすすめしません。息が持たないなど、あくまで自然な流れにするためにトラックを変えます。
とりあえず歌ってみて、息が持たなくなったら録音を止める方法でも問題ありません。
理想的なトラック分けの例
ご覧の通り、フレーズの長さやブレスの数にとらわれず、自然なトラック分けになっています。
次のフレーズの頭も軽く歌う
トラック分けの際に非常に重要なのが、トラック分け直後のフレーズも頭1フレーズ程度歌うことです。これはトラック分け前後の繋がりを自然にするためです。例えば直後に入ってくるトラックのフレーズを無視して語尾を伸ばし切ってしまうと、トラックが変わった後の頭のフレーズに被ってしまいます。
意図的に交差させるように被せる場合は問題ありません。しかし、1本録りのように自然に聞かせたい場合は、トラックが変わる次のフレーズの頭も歌って、後でその被った不要なフレーズを削除しましょう。
マイクとの距離を常に一定にする
歌う時のマイクと口元との距離感は、できるだけ一定にしましょう。マイクとの距離が変わると音量だけでなく音質も変化します。歌唱中はもちろん、トラック分けやパンチイン・アウトなどの部分的な録り直しの際も注意が必要です。
そこだけ音質が変わることで不自然になったり、リスナーに「ここは録り直したな」とバレてしまったりするので、距離感は常に一定を心がけるとよいでしょう。レコーディング途中で休憩を挟む場合もあると思うので、立ち位置が決まったら目印になるよう足下をテープでバミるのがおすすめです。
入力ゲインは1番大きな声量のセクションで調整する
オーディオインターフェースの入力ゲインは、一度設定したら変更しないのがおすすめです。入力ゲインツマミを調整すると音量だけでなく質感も変化する場合が多いからです。テスト感覚で、サビなどの1番大きな声量が出るパートを歌ってレベルメータが6〜7割振れる程度に入力ゲインを調整しましょう。
歌もの系の曲のハモリは自分で録る
ボカロ曲の中でも、ミディアムテンポやバラードのような歌もの系の曲のハモリは、DAWで作成するよりも自分で録音した方が曲調にマッチすることが多いです。特にドラム・ベース・ギターなどのスタンダードな楽器のみで構成された曲には、DAWで作成した機械的なハモリは浮いてしまうことがあります。
機材をアップグレードする
どれだけ録音する環境や方法にこだわっても解決しない場合は、機材をアップグレードするのがおすすめです。当然高価な機材ほど低ノイズで高音質なので、予算に余裕のある方は機材を変えるのもよいでしょう。
現状で満足していないポイントを明確にして、それを解決し得る機材をリストアップしてから購入するのがおすすめです。音質面で不満な方はマイクとオーディオインターフェイスに注目するのがおすすめです。
高コスパな録音機材は下記の記事で紹介しているので、是非チェックしてみてください。
まとめ
今回は初心者向けに歌ってみたのレベルをワンランク上げる録音の仕方を紹介しました。ここで紹介したこと以外にも、環境によってさまざまな方法があります。この記事を参考にして頂き、少しでも皆様の録音される音源のクオリティが上がれば幸いです。