ミックスに必須のプラグインは、少しでも価格を抑えて手に入れたいですよね。高品質なプラグインは全部有料と思っている方は多いのではないでしょうか。実は無料でも実践的に役立つプラグインは数多くあります。今回はミックスにおいて即戦力で使える無料プラグイン6選をご紹介します。
無料でも役立つプラグインはあるの?
高品質なプラグインは有料であることは間違いありません。しかし、フリープラグインの中にも、無料とは思えないほど実践的に使える優れたものが数多く出回っています。ここでは筆者もお世話になっている使用頻度の高いフリープラグインを6つご紹介します。
(こちらは掲載当時の情報であり最新の対応状況や動作環境などについては公式HPをご確認ください)
①Xfer Records/OTT(マルチバンドコンプレッサー)
Xfer Records社が手がけるOTTです。3つの帯域に独立してコンプレッサーをかけることができるマルチバンドコンプレッサーです。フリープラグインの中でも特に認知度が高く、数多くのDTMerから高い評価を獲得しています。
音が派手になって劇的に変わるので、単にマルチバンドコンプレッサーとしてではなく、ボーカルの音抜けを良くしたり存在感を出したりしたいときに役立ちます。音のクセが強いので使い所を見極める必要がありますが、持っておいて損はないプラグインです。
対応フォーマット
- VST、AU、AAX
②Softube/Saturation Knob(サチュレーション)
SoftubeのSaturation Knobです。こちらは音に適度な歪みを与えて存在感を出すサチュレーションと呼ばれるプラグインです。ディストーションやオーバードライブのように強い歪みを与えるのではなく、あくまで自然な歪みを与えて音にあたたかみやアナログ感を付与します。
見た目通りのシンプルな操作性で複雑なパラメーター操作が必要なく、DTM初心者の方にもおすすめです。また、ボーカル以外にも、ギター・ベースなどのさまざまな楽器に使用できます。
対応フォーマット
- VST、VST3、AU、AAX
③iZotope/Vinyl(ローファイエフェクト)
RXやOzoneシリーズなどでお馴染みのiZotope社から、無料で手に入るローファイマシンVinylです。お手軽にレコードのローファイ・ビンテージサウンドにすることができます。
歌ってみたにも頻繁に登場するラジオ風ボイスなども作成でき、雑に使っても作り込んでも無料とは思えない上質なプラグインです。素晴らしい再現性で、EQなどで強引に加工するよりも自然なビンテージサウンドにすることができます。
対応フォーマット
- AAX (64–bit)、AU、VST2、VST3
④Tokyo Dawn Records/TDR Nova(ダイナミックEQ)
Tokyo Dawn Recordsから無料配布されているダイナミックEQのTDR Novaです。各4バンドごとに入力信号に応じたカット・ブーストができます。無料のダイナミックEQは数が非常に少なく貴重ですが、こちらはその中でも特にクセがなく高品質なイコライジングが可能です。
パラメーターも必要最低限で複雑な調整も必要ありません。ダイナミックEQをお持ちではない方におすすめのプラグインです。
対応フォーマット
- VST2、VST3,、AU,、AAX
⑤Kilohearts/Essentials(30以上のエフェクトコレクション)
Kilohearts社の約30ものプラグインがセットになったエフェクトコレクション(画像は一部)Essentialsです。EQやリバーブ・ディレイなどの基本的なプラグインから飛び道具系のプラグインまでずらりと並びます。無料とは思えないほど高品質で充実したラインナップです。
中でも使い勝手の良いテープストップ・トランスゲート・トランジェントシェイパーなどは無料プラグインでは数が少ないので重宝します。とりあえずこのバンドル1つあればさまざまなエフェクトに対応できるので非常におすすめです。
Kilohearts Essentialsのダウンロードページ
対応フォーマット
- VST2、VST3、AAX、AU(64ビット)
⑥Slate Digital/FRESH AIR(エキサイター)
Slate Digital社の高域に特化したエキサイターのFRESH AIRです。高域の倍音を付与して煌びやかで明るいサウンドにすることができます。操作も大きく2つのノブを調節するだけなので非常にシンプルです。
こもり気味の音であっても、これをかけるだけで高域がキラキラとして音が立ち、抜けの良い音に仕上げることができます。ボーカルと非常に相性が良いので歌ってみたミックスにもおすすめです。
対応フォーマット
- AU、VST2、VST3、AAXホスト(64ビット)
有料プラグインの無料配布を狙うのもおすすめ
常に無料のプラグインを狙うのもいいですが、時期や商品によっては有料プラグインが無料配布されることがあります。高品質な有料プラグインを無料で入手できるので逃す手はないでしょう。
無料といっても、期間限定の無償配布や何かを購入したときに無料でプレゼントされるものなどさまざまです。狙っているプラグインが過去に無料配布されている場合、もう一度無料で配布可能性があるのでマメにチェックしておくのがおすすめです。
また、無料とまではいえなくても、プラグインはセール期間などで値段が安くなることはよくあるので、ブラックフライデーやシーズンセールは見逃さないようにしましょう。
まとめ
今回はおすすめのフリープラグインについてご紹介しました。無料といえど侮るなかれ、ここで取り上げたもの以外にも非常に優秀なプラグインが数多く存在します。無料であれば入手時のハードルが低いので色々なプラグインを試すのもおすすめです。この記事を参考に少しでもお役に立てれば幸いです。