MIX依頼のやり方とは?【注意点・相場・テンプレなどを解説】

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録音した音源のミックスを依頼するとき、相場やテンプレが知りたい方は多いのではないでしょうか。特にはじめてミックスを依頼する方は、やり方や何に気をつけるべきかわかりませんよね。ここではミックス依頼のやり方や注意点・相場・テンプレなどを解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • ミックス依頼のやり方が知りたい
  • ミックス依頼の料金相場が知りたい
  • エンジニアに送るときの便利なテンプレが知りたい
  • ミックス依頼時の注意点・マナーが知りたい
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MIXを依頼してから作品完成までの流れ

MIXを依頼してから作品完成までの大まかな流れは以下のようになります。

MIX依頼の流れ
  • step1
    録音した音源をエンジニア(ミックス師)にファイル転送サービスを使って渡す

    音源を渡す際に、要望があればできるだけ詳細にエンジニアに伝えましょう。そのときの便利なテンプレは後ほど紹介します。

  • step2
    支払い完了後にエンジニアがミックス開始
  • step3
    ミックス完了後にエンジニアから仮ミックスデータを受けとる

  • step4
    仮ミックスをチェックする
  • step5
    修正内容をエンジニアに伝えて修正してもらう

    再度修正が必要な場合はこの行程を繰り返します。

  • step6
    問題なければエンコードして納品

ファイル転送サービスを使った音源の渡し方は下記の記事で詳しく紹介しています。

ギガファイル便を使ったミックス師へのデータの送り方【ミックス依頼の定番サービス】
録音した曲のミックスをミックス師に依頼するとき、どのように送ればいいかわからない方は多いのではないでしょうか。ファイルの送受信の定番サービスであるギガファイル便を使えば、だれでも簡単にデータのやり取りが可能です。この記事では、ギガファイル便を使ったデータの送り方を解説します。
: MIX依頼のやり方とは?【注意点・相場・テンプレなどを解説】
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7つのMIX依頼の注意点

ここではMIXを依頼するときの注意点があります。中には作品の完成度にも影響するほど重要度の高いポイントもあるので、注意してください。

細かいマナーを依頼主側が気にする必要はないと思いますが、気を付けることでお互い気分良く、無駄なやり取りを省略して作業を円滑に進めることができます。

①クリップ(音割れ)していないかチェック

クリップ(音割れ)とは、入力信号が大きすぎることでバリバリ・ブチブチと音が割れてしまうことです。音が大きくなるサビの一部だけにクリップノイズがのったりすることもあり、気付きにくいので注意しましょう。  

音が割れているか視覚的に判断するポイントは

  • 波形の上下に余裕がなく波形が潰れてしまっている。
  • インプットメーターにクリップマーク(赤や黄色)が付いている

などがあります。下の画像は、波形サイズを標準値にしたときの、音量がバランス良く録音された波形と、割れている波形の比較です。

上の波形が正しい音量で下が割れている波形です。下の波形は明らかに上下に隙間がなく、波形が潰れているのが分かります。

注意

音割れは、ノイズ除去プラグインである程度取り除くことは可能ですが、音に違和感が生じることが多いです。音割れしていたら基本的には録音しなおしましょう。

音割れの対策

音割れの対策は、録音する前にオーディオインターフェイスの入力ゲインを適切にとることです。実際に歌うときと同じくらいの大きめ声量・音量を出して、入力ゲインをコントロールしてから録音しましょう。

②パートごとや音が重なるところでトラックを分ける

同じ歌トラックの場合でも、主旋律・ハモり・合いの手など、各パートでトラックを分ける必要があります。また、主旋律の場合でも、音が重なる箇所は必ずトラックを分けてください。

音が重なる・交差する部分を無理やり1トラックで録ると下の画像のようになります。

この状態でリージョンを結合してしまうと、重なる前の方の波形の最後は消えてしまいます。正しくは下の画像のようにトラックを分けましょう。

また、下の画像のように重なる部分がごくわずかの場合も、トラックを分けて録るのが無難です。

③頭出しをする

頭出しとは、音がなっていない部分も含めて、全てのトラックのスタートポイントが同じになるように書き出すことです。頭出しをしないと、エンジニア側がDAWで音源を読み込んだときに、トラックごとで再生位置がバラバラになってしまいます。

歌ってみたの場合は、頭出しに合わせたカラオケ音源も一緒に送るようにしてください。

頭出しのやり方や必要性については下記の記事で詳しく解説しています。

歌ってみたの頭出しのやり方【なぜ必要なのかも解説】
ミックスを依頼する際は必ず、頭出しされた状態の音源が必要です。しかし「頭出しって何?」と困惑される方も多いですよね。そこで今回は、ミックス依頼の際に必須である、頭出しについて解説します。
: MIX依頼のやり方とは?【注意点・相場・テンプレなどを解説】

カラオケ音源のダウンロード方法は下記の記事で詳しく解説しています。

歌ってみたのカラオケ音源のダウンロードはどこから?【著作権や注意点も解説】
歌ってみたに使用するカラオケ音源をどこから手に入れるかわからない方は多いのではないでしょうか。また、カラオケ音源の使用による著作権問題・トラブルが心配ですよね。今回はカラオケ音源のダウンロード方法や著作権などについて解説します。
: MIX依頼のやり方とは?【注意点・相場・テンプレなどを解説】

④エフェクトは全て外す

リバーブ・コンプ・EQなどのエフェクトは必ずかかっていない状態で書き出してください。エンジニアに送ったオーディオファイルにエフェクトがかかっていると、ミックス時にさまざまな制限がかかり、できることが少なくなってしまいます。

こんな風にエフェクトをかけてほしいと意思表示したい場合も、自分でエフェクトをかけるのではなく、エンジニアにこういうエフェクトをかけてほしいと伝えるようにしてください。

メモ

録音時に自分が歌いやすく・演奏しやすくするためにエフェクトをかけるのは問題ありません。あくまで、書き出されたオーディオファイルにエフェクトがかかっていないことが重要です。

⑤トラックに合わせてモノラル・ステレオで書き出す

オーディオファイルとして書き出すときに、モノラルとステレオを選択する必要があります。楽器・トラックなどに合わせて書き出す必要があり、下記表に簡単にまとめているので参考にしてください。

モノラルステレオ
・ボーカル
・ギター
・ベース
・ドラム各パート
・管楽器
・カラオケ音源
・ストリングスやパッドなどの広がりのある音色
・ピアノ
メモ

必ずファイルごとに各パートの名前をつけておきましょう。日本語の場合は文字化けすることがあるので、半角英数でローマ字・英語がおすすめです。

注意

スマホ向けなど一部DAWは、ステレオでしか書き出せないものがあります。その場合はボーカルなどもステレオで書き出してください。

⑥ファイルの形式は「WAV・48kHz/24bit」がおすすめ

送信するオーディオファイルの形式は、ミックスする方によって異なります。サンプリングレート(kHz)/ビットレート(bit)は、基本的に44.1kHz/16bit以上であれば問題なく、たかまるMIXでは48kHz/24bitをおすすめしています。

サンプリングレートとビットレートの細かい説明はここでは省略しますが、簡単に説明すると音の解像度のことです。たいていのDAWは、オーディオファイルを書き出す際に指定されるので、48kHz/24bitを選択しましょう。

また、ファイル形式は非圧縮のWAVがよく使用されており、1番おすすめです。mp3などの圧縮音源は、音質が劣化しているので、止むを得ない場合以外での使用はやめておきましょう。

⑦イメージや期限など要望を伝える

完成イメージがあるときは、必ずエンジニアに伝えましょう。「Bメロのこの部分にリバーブをかけてほしい」「Aメロ全体をラジオボイスに」など、具体的であるほど良いです。特にイメージがない場合や、歌ってみたで本家に近い感じにしてほしいときも、その旨をエンジニアに伝えてください。

また、こんな感じにしてほしいという参考音源があると、さらに全体的なイメージを伝えやすくなります。参考音源は録音した音源と一緒に同封するか、該当URLを送信しましょう。

また、お急ぎの方や期限がある場合は、必ず事前にエンジニアへ伝えるようにしましょう。エンジニアによってはスピードプランなどがあり、追加料金を支払うことで早く納品できることがあります。

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MIX依頼の料金相場

MIXの料金相場はエンジニアによってさまざまです。そもそも、MIX依頼では有償と無償があるので、それぞれについて簡単に説明します。

有償MIX

料金が発生する有償MIXの料金相場は、1曲約1,000円〜30,000円程度と、非常に幅広いです。有償MIXは料金が発生しているため、クオリティの水準が高く、責任を持って最後まで引き受けます。歌ってみたであれば、約7000円くらいで引き受けている方が多い印象です。

また、会社か個人(フリーランス)に依頼するかでも差があります。会社の場合、基本的に会社のHPから依頼し、スタジオが設けられ機材設備が潤沢で、複数人のスタッフがいることも多いです。安心感がある一方で料金設定が高い傾向にあります。

一方個人に依頼する場合、依頼はtwitterなどのSNSやHPが多いです。料金は安い傾向にありますが、個人に依頼するのに不安感を持つ方もいます。しかし、現役エンジニアが副業でやっていることも多く、フリーランスも評価を落とせないのは同じなので、責任を持ってやっている方がほとんどです。

ちなみにわたくしたかまるMIXの料金はこちらでご確認いただけます。参考にしていただけましたら幸いです。

有償MIXはこんな人におすすめ
  • ある程度のクオリティを求める方
  • 安心感・信頼性がほしい方
  • 本気でアーティスト活動を目指す方
注意

一概に金額が高い=作品のクオリティが高いというわけではありません。

MIX依頼の料金相場は、下記の記事で詳しく解説しています。是非参考にしてください。

MIX依頼の料金相場は?支払い方法も紹介【安いとどのくらい?】
MIXを依頼するなら、高いクオリティはもちろん、できるだけ安い価格でお願いしたいですよね。クオリティ重視ならプロにお願いするのが1番ですが、料金相場がわからなくて困っている方は多いのではないでしょうか?そこで今回は、MIX依頼の料金相場について解説します。この記事を読めば自分にあった料金相場が必ず見つかります。
: MIX依頼のやり方とは?【注意点・相場・テンプレなどを解説】

無償MIX

無償MIXは、趣味でされている方や、これから有償で引き受ける方が実績目的で引き受けることが多いです。お金がかからないのが最大のメリットですが、音楽職の経験がない方やDTM初心者の方が多いので、クオリティが低い傾向にあります。

無償なだけに修正依頼を要求しにくい点や、クオリティに関係なく必ず投稿しなければならないなどのデメリットもあります。また、納期を守らない・連絡が途絶えるといったトラブルの声もあるようです。とはいえ、お金が発生しないのはやはり嬉しいポイントです。

無償MIXはこんな人におすすめ
  • クオリティを求めない方
  • 気軽にやってみたい方
  • ミックスにお金をかけたくない方

MIX依頼時のテンプレ

ここでは、MIX依頼の際に使い回しができる必要事項をまとめたテンプレートを紹介します。【】内を言い換えてご自由にお使い頂いて結構ですので、何を記入すればいいかわからない方のお役に立ててれば幸いです。

歌ってみたの場合

はじめまして。歌ってみた活動をしている【○○(自分の名前)】と申します。

【〇〇(自分のSNSのURLがあれば)】

今回【〇〇(エンジニアの名前)】さんに歌ってみたのミックスを依頼したいと思い、ご連絡させていただきました。

詳細を下記に記しますので、ご確認よろしくお願いいたします。

☆料金プラン・メニュー:【〇〇(記載がない場合はなしでOK)】

☆希望納期:【○月○日】

☆ご依頼したいデータ:【〇〇(カラオケ音源と録音した歌のファイル転送サービスのURL)】

☆楽曲の詳細
・曲:【〇〇(曲名)/〇〇(アーティスト名)】
・本家:【〇〇本家動画のURL】
・キー:【〇〇(原キーや+2など)】
・歌い手の人数:【○人】
・トラック数:【〇〇(メイン×1、コーラス×2など)】
・公開する媒体:【〇〇(YouTube・twitter・CDなど)】
・参考音源:【〇〇イメージに近い歌い手のURL(なければなしでOK)】
・録音環境:【〇〇(スマホ録音,オーディオインターフェイス型番,マイク型番などわかる範囲で】

☆ミックスで希望すること【場所や効果などできるだけ具体的に箇条書きで記してください】
・【〇〇(例:Bメロの「〜歌詞〜」に深くリバーブをかけてください。)】
・【〇〇(例:ピッチ修正は控えめで元の歌を活かす感じでお願いします。)】
・【〇〇(例:サビ全体に上ハモリをお願いします。)】

そのほかは全てお任せいたします。希望内容よりこうした方がいいなどあれば、変更して頂いて構いません。音源の不備や追加した方がいいトラックがありましたら、仰ってください。

それでは何卒よろしくお願い申し上げます。

オリジナル曲のバンド・団体の場合

はじめまして。【〇〇(バンド名)】というバンドで活動している【○○(代表者の名前)】と申します。

【〇〇(バンド・団体のSNSのURLがあれば)】

今回【〇〇(エンジニアの名前)】さんにミックスを依頼したいと思い、ご連絡させていただきました。

詳細を下記に記しますので、ご確認よろしくお願いいたします。

☆料金プラン・メニュー:【〇〇(記載がない場合はなしでOK)】

☆希望納期:【○月○日】

☆ご依頼したいデータ:【〇〇(全パート音源のファイル転送サービスのURL)】

☆楽曲の詳細
・曲:【〇〇(曲名)】
・トラック数:【〇〇】
・公開する媒体:【〇〇(YouTube・twitter・CDなど)】
・参考音源:【〇〇イメージに近いアーティストのURL(なければなしでOK)】
・録音環境:【〇〇(オーディオインターフェイス型番やスタジオなどわかる範囲でOK)】

☆ミックスで希望すること【場所や効果などできるだけ具体的に箇条書きで記してください】
・【〇〇(例:ボーカルラストの「〜歌詞〜」に深くリバーブをかけてください。)】
・【〇〇(例:ドラムは全体的にドンシャリでラウドな感じでお願いします。)】
・【〇〇(例:ギターのパンはバッキングを左右に広くふりリードをやや左でお願いします。)】

そのほかは全てお任せいたします。希望内容よりこうした方がいいなどあれば、変更して頂いて構いません。音源の不備や追加した方がいいトラックがありましたら、仰ってください。

それでは何卒よろしくお願い申し上げます。

まとめ

今回はミックス依頼のやり方や注意点などについて解説しました。重要なことを見落とすと、予期せぬトラブルや作品のクオリティを下げてしまうかもしれません。この記事が依頼主様とエンジニアさんが、お互い気持ちよくスムーズなやり取りを実現する一助となれば幸いです。

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