格安の宅録セットで録音したとき、歌やギター・ベースの音がしょぼいと感じる方は多いのではないでしょうか。また、ミックス・マスタリングなどのDTMでは、出音が悪いと作品の完成度を下げてしまいますよね。そこで今回は、初心者セットからワンランク上を目指す方におすすめの宅録セット・機材を紹介します。
予算を抑えつつ高音質な宅録機材を選ぶポイント
楽曲制作に使用する機材は、基本的に高価格=高音質なので、音質にこだわって機材を選ぶなら、予算の問題は避けて通れません。
高音質な機材を購入する場合、予算を上げるしかありませんが、ポイントを絞ればある程度価格を抑えることができます。ここでは予算を抑えつつ高音質な宅録機材を選ぶポイントを紹介します
用途に合わせて機能性を絞る
価格を抑えるポイントとして、最も有力なのが機能性を絞ることです。
例えば、ほぼ同じ価格のモニタースピーカー2種類を比較した場合
①音質はそこそこでフロント部分のツマミで音質・音量の調整ができるなど機能性・利便性が高い
②特別な機能はないがその分音質が良い
音質のみにこだわるなら、当然②の商品がおすすめです。このように、制作コストが音質以外に向けられているモデルも多いので、用途に合わせて必須ではない機能を除外するとよいでしょう。
他にもオーディオインターフェースの場合は、入力・出力端子を最小限にして、オーバースペックにならないようにするのが、価格を抑える上でおすすめです。
セール期間を狙う
店舗によっては、期間限定でセールを行なっていることがあります。ブラックフライデー(11月の第4木曜日)などで行われることが多いです。
プラグインをはじめとしたソフトウェアだけでなく、オーディオインターフェースなど、モデルによってはハードウェアも安く手に入れることができます。
店舗に行って値段交渉をする
機材を試聴するなど直接店舗に行く場合、そのまま購入する流れで店員さんに値下げ交渉するのもおすすめです。事前に店員さんと仲良くなっていれば、交渉がしやすいでしょう。
しかし、人気商品や値上げされている商品の場合、値下げができない可能性が高いです。
音質にこだわる方におすすめの高コスパ宅録機材
ここでは入門用の低価格モデルからワンランク上の、数万円クラスの機材を紹介します。どれも価格以上の音質が期待できますよ。
オーディオインターフェースのおすすめ
3万円程度で購入できるモデルの中でも、特に高音質であると話題のオーディオインターフェースです。筆者もこのモデルを試聴したことがありますが、この音質に対しては破格の値段なので、最初の1台としてもおすすめします。
入出力は2イン2アウトですが、宅録用としては十分です。やや高域側のレンジが狭く感じるものの、1万円程度の安価モデルからのステップアップに最適と言えます。
人気商品故に、2023年現在品切れが多く、値上げされているオーディオインターフェースです。約15万円と値段だけ見れば高額ですが、プロクラスの高音質なので、非常にコストパフォーマンスに優れています。
筆者が宅録用としてメインで使っていますが、ややソリッドでくっきりとした高解像なサウンドが特徴です。DAはもちろん、ギター入力や内蔵マイクプリの質も高く、ADAT対応8chマイクプリと組み合わせれば、最大12入力に対応できます。
モニターヘッドホンのおすすめ
2万円前後で購入できるモニターヘッドホンの中でも、非常に高音質なモデルです。幅広いレンジとどしっとした低域が特徴で、筆者も使用しています。レコーディング・ミックス・作曲など、幅広いDTMで高いパフォーマンスが期待できるでしょう。
他の有名ヘッドホンに埋もれがちですが、隠れた名機です。
同メーカーのスタジオ標準モデル「MDR-CD900ST」の次世代型ともいうべきモニターヘッドホンです。やや高域が削げる印象ですが音にクセはなく、何より大手メーカーのソニー製品なので安心感があります。
コストパフォーマンスが高く、ミックス・マスタリングでメインヘッドホンとして使っていけるほど高解像なモデルです。
モニタースピーカーのおすすめ
YAMAHAの大人気HSシリーズの最小サイズです。コンパクトですが、宅録用モニタースピーカーとして十分な性能を発揮します。筆者も宅録用で使用していますが、それなりの音量が出せる環境であればミックス・マスタリングでも使用可能です。
ペアで3万円程度で購入できるので、最初のモニタースピーカーとしてもおすすめです。
宅録の防音対策は下記の記事で詳しく解説しています。参考にしていただければと思います。
マイクのおすすめ
クリアでクセのないサウンドが特徴の単一指向性コンデンサーマイクです。ユーザーが多く、ボーカルの宅録用に適しています。 ナチュラルなサウンドで人を選ばないので、男性・女性問わずおすすめです。
3万5000円程度ですが、価格以上の音質が期待できます。
ほとんどのレコーディングスタジオに導入されている汎用性の高いコンデンサーマイクです。キラキラとしたブライトなサウンドが特徴で、ボーカル・ギター・ドラムのオーバートップまで幅広い楽器に使用できます。
こちらは10万円前後の高級マイクですが、予算に余裕がない方は下位機種のC214がおすすめです。
反対に予算に余裕がある方は、さらにブライトで高級感のあるサウンドのC414 XLIIを選ぶとよいでしょう。
レコーディングスタジオの標準高級マイクである「U87Ai」を個人向けに導入しやすいコストに抑えたコンデンサーマイクです。40万円以上するU87Aiに対して、下位機種であるこちらは10万円以内で購入できます。
下位機種とはいえ、ノイマンらしい抜けの良いサウンドが特徴で、ボーカル録りに使用すればオケに負けず、歌をはっきりと主張させます。
アンプシミュレーターのおすすめ
1965年製FENDER Deluxe Reverbを忠実に再現した、ハードウェアのアンプシミュレーターです。5万円前後とは思えないほどリアルなギターサウンドが楽しめます。これ単体でメタル系のギャリギャリ歪ませる音には向きませんが、それ以外の幅広いギターサウンドに対応できます。
シンプルなツマミで使い勝手も良く、宅録のギターの音がしょぼいと感じる方におすすめです。
まとめ
今回は初心者向けの格安機材から卒業したい方に向けた、ワンランク上の機材を紹介しました。当然、今回紹介した機材より高いモデルはありますが、高音質かつ個人で手が出しやすい価格のモデルを紹介しています。この記事を参考にして頂き、皆様のDTMライフがより良いものになることを願っています。